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つ む ぐ

事実婚


事 実 婚


 高木仁三郎さん 中田久仁子さん 山本美香さん 佐藤和孝さん


深く 捧ぐ 

花の絵


からっぽを生きても  しかたがない



自分自身の 部外者 となって



この夏 事実婚のひとを 知る



<事実婚> という ことば

この ことばのほかに 



<事実~>って どんなことばが あるだろう



<事実~>とは



「自分で つくった」 ということでは ないだろうか



自分で つくった <婚>


 おたがいに つくりあった <婚>


 自分のなかに ひとを つくる


 自分のなかに つくったひとと


 自分のなかに つくっていく  日々  事実


 おたがいに



かけがえのない 事実   生きる すべて


 生きた すべて


 自分のなかが からっぽ だったら


 誰にも 出会えない


 痛みも 愛も なければ


 なにを 感じればよいのだろう


 誰に 会えばよいのだろう



  高木仁三郎さんは 


  原子力を ひとがあつかうあやうさに 


  目をつぶらずに 発言し


  行動した


  たくさんの著書を 遺された


 最後の著書は 『鳥たちの舞うとき』


 病室で綴られた 愛の物語だ


 いきゆく 痛みと  のこしゆく 愛に あふれている



  山本美香さんは 


 オリンピックに湧く 世界の時を


 シリアに 歩いた


 砲撃の音と 崩れた街を


 こどもたちと 笑顔をかわし あいさつをし


 誇りと 愛 をもって 取材にいどまれた


 たゆまぬ行動と ひるまぬ勇気を


 事実婚は 確かに 支えた



 高木仁三郎さん  享年62  2000年10月8日


 高木仁三郎さんを 生きる  中田久仁子さん 


 山本美香さん  享年45  2012年8月20日


 山本美香さんを 生きる  佐藤和孝さん 


 これからを ここからを


 あなたの かけがえのない 片(かた)


 仁三郎さん  美香さん


 あなたの 芯となられ


 あなたの 深く 深くに 生きる



 つくってこられた 事実の日々は


 どれほどの 充実と


 どれほどの さびしさを


 あなたに 与えるだろう 


 それを 知るのも


 痛み と 愛 が  あなたがたを満たしていた


 からっぽではなかった


 事実に ほかならない


 たがいを 自分のなかに あるひと として


 生き抜いてきた そのすべてに ほかならない



 久仁子さんは 生きる  高木久仁子さんとなって


 原子力発電所の すべての廃止を 行動して


 和孝さんも 生きる  ジャーナリストとして


 ひとを 伝え  いのちを 伝える



 < REST IN PEACE >


 このことばは いわない


 高木仁三郎さん  山本美香さん


 あなたの かけがえのないパートナーと 


 ともに



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